二所ノ関親方(稀勢の里)はなぜ中卒で早大大学院に?飛び級がすごい

元横綱稀勢の里の二所ノ関親方が早稲田大学大学院に合格し、2020年4月に入学しました。

そしてスポーツ科学研究科の修士課程1年制で、スポーツマネジメントなどを研究していました。

二所ノ関親方は中卒で大相撲に入門しているので、すんごい飛び級になりますよね。

中学からいきなり大学院に入学したというのは、聞いたことがない人がほとんどだと思います。

私もなぜそんな事ができるのか疑問に思ったので、調べてみました。

中卒で大学院生になれるわけ

一般的に大学院は大学を卒業していなければ入れませんが、学校教育法の施行規則で、大学による個別入学資格審査に通った人も、大学院の受験資格があると定められています。

つまり中卒であっても高卒であっても、大学院に行けるということですね。

早大のスポーツ科学研究科の修士課程1年制(社会人入試)の出願資格には次のようにあります。

当研究科において、個別の入学資格審査により、大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、入学の時点で最終学歴卒業(修了)後3年以上経過し、22歳に達する者

引用:早稲田大学 スポーツ科学研究科

早大によれば、経験や論文などの課題・面接などを勘案して、大卒相当の学力かどうかを決めるそうです。

さらに修士課程1年制は実務経験者を対象としており、「スポーツマネジメントに関する高い能力を持つ指導者となり得る人材、またはスポーツコーチングに関する高い能力を持つ指導者となり得る人材」を学歴に関係なく受け入れているそうですよ。

二所ノ関親方は横綱という大相撲の最高番付に登りつめた人なので、実績は十分ですよね。

二所ノ関親方は入学出願資格審査、面接を経て合格しました。

過去にはこのスポーツ科学研究科に、元プロ野球選手の桑田真澄さんが高卒で合格しています。

桑田さんと言えば一流の投手として活躍していたので、同じように評価されたのでしょう。

最近では元プロテニス選手の伊達公子さんも高卒で入学し、同じ研究科で学んでいました。

二所ノ関親方は大学院を経て独立

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二所ノ関親方は引退後、田子ノ浦部屋付きの親方として弟子の指導をしたり、日本相撲協会の業務をこなしていました。

大相撲の解説では、現役の時からは考えられないほどの饒舌ぶりで、わかりやすいと評判でした。

そして大学院生になっても親方の仕事は続けていました。

勉学と両立できるのかと心配になりましたが、大学院の修士課程1年制コースは平日夜間および土曜日に開講するので、なんとかなったのでしょう。

そしてなぜ二所ノ関親方は大学院に入ったのかというと、田子ノ浦部屋から独立して部屋を持つことが念頭にあったからのようですね。

大学院で学んだことを力士の育成に活用したり、部屋の運営に役立てたいという気持ちがあったからだそうです。

二所ノ関親方は横綱になったばかりの時に、ケガをしながらも強行出場したことで、横綱の力士生命を縮めてしまったので、スポーツ医科学と身体運動科学の知識も身につけたかったそうです。

独立して部屋を持つからには、ケガにも強い力士を育てたいというのは親方として当然のことだったのでしょう。

大学生になった親方も

親方になってから日本の大学に進学した人に鳴戸親方(元大関琴欧州)がいます。

鳴戸親方は来日前にブルガリア国立体育大学を2年で中退していましたが、親方になった2ヶ月後に、日本体育大学の体育学部武道学科の3学年に編入しているのです。

編入はブルガリアの大学で取得した単位が有効だったからだそうですよ。

しかし日本相撲協会の業務との両立が難しくなり、卒業間近にして大学を中退しています。

 

二所ノ関親方は1年間だけの大学院生なので、あっという間に終わったのでしょうね。

二所ノ関親方は茨城県牛久市の高校で、合宿を行っていた富山県の高校の相撲部の先生の指導を見て「先生による相撲部の指導を生で見てみたい」と、わざわざ富山県まで練習の視察に訪れたほどの人です。

引退して1年になるというのに、まわしを付けて相撲部員に胸まで出してくれました。

相撲の指導でそんなに熱心になれる人なので、きっと大学院でもしっかり学ばれるだろうなと思っていましたが、その通りでした。

二所ノ関親方は2021年3月に修士課程を修了し、修士論文が最優秀論文として表彰されたそうです。やはり大学院では一生懸命取り組んでいたことがわかりますね。

そして2021年5月に荒磯部屋を開き、12月に二所ノ関に名跡を変更して、二所ノ関部屋の師匠になったのです。

まとめ

二所ノ関親方がなぜ中卒で大学院生になれたのかということをまとめました。

33歳での大学院合格です。

30歳を過ぎると記憶力が落ちますし、覚えることは大変だったと思いますが、あえて新しいことに挑戦したいという親方の姿勢は素晴らしいです。

大学院で勉強したことを今後の相撲に取り入れて、二所ノ関部屋の弟子の育成につなげるのでしょう。

二所ノ関親方のもとで、どんな力士が成長するのか楽しみです。

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